ユーさんのシネマ談義 第17回 カサブランカ PDF プリント メール

ユーさんのシネマ談義⑰ (2010年1月27日)

 


<1> 映画題名
「カサブランカ」  CASABLANCA
  (制作)ハル・B・ウォリス
  (監督)マイケル・カーティス  
  (脚本)ジュリアス・J・エプスタイン、フィリップ・G・エプスタイン
  (音楽)マックス・スタイナー


 
<2> 出演
 1 リック(ハンフリー・ボガード)
 2 イルザ(イングリッド・バーグマン)
 3 ラズロ(ポール・ヘンリード)
 4 ルノー警察署長(クロード・レインズ)
 5 シュトラーサ独軍少佐(コンラート・ファイト)


<3> あら筋
第2次大戦で激しい戦火に見舞われたヨーロッパ、多くの人々がナチスの手を逃れ、渡米して自由になろうと夢見ていました。しかし、アメリカへの脱出港リスボンにはパリからマルセーユを経て仏領モロッコのカサブランカに渡り、ここでリスボンへの出国ビザを取得しなければなりませんでした。
ある日カサブランカでドイツ特使2名が殺害され通行証が奪われました。ルノー警察署長は「犯人は分かっている。今夜リックの店で逮捕する」と豪語します。しかし犯人は逮捕される前に店のオーナー・リックに通行証を預けました。その通行証は反ナチス抵抗組織の指導者ラズロとその妻イルザが買いに来ることになっていたのです。

その夜、イルザはリックと劇的な再会を果たします。二人はかつて陥落前のパリで知り合い、深く愛し合った仲でした。店を閉めた後、一人になったリックにパリでの辛い別れが蘇ってきました。その夜ビザを求めて再び訪れたイルザ、しかしリックはつれなく追い返します。仕方なくラズロ夫婦は闇商人フェラーリを尋ねましたが、ビザはイルザにしか用意できないと断られるのでした。反ナチス抵抗組織の指導者にビザを売り渡すことはできなかったのです。再びイルザはリックに2人の通行証が欲しいと懇願するのでした。このときリックは何故イルザがパリ陥落のとき自分と一緒にフランスを脱出しなかったのか、その経緯を知りました。実はリックはかってスペインやエチオピアでファシズムと戦う戦士でした。その彼に今ファシズムに抵抗した時の大義が蘇って来ました。反ナチス指導者とかつての恋人をいかにしてアメリカヘ脱出させるのか。リックには重大な決断が迫られるのでした…。


<4> 感想 
私は今まで観た映画の中でベスト3を挙げろといわれたら、NO1が「アラビアのロレンス」、NO2が「第3の男」そしてNO3が「デルス・ウザーラ」と答えていました。いつの頃からでしょうか?NO3を「デルス・ウザーラ」に替わりメロドラマである「カサブランカ」がその地位を占めるようになりました。以下この作品の感想や製作エピソードです。


*この映画は当初主演は男女とも別の俳優(リック役はあのロナルド・レーガン)が候補にあがっていましたが、スケジユールその他の事情でボガードとバーグマンに落ち着きました。第2次大戦中のこともあり、監督も急遽カーティスに代わったようです。しかも、撮影に入ったときは脚本も未完成、肝心なドラマの結末も決まっていなかったのです。思い余ってバーグマンは監督に「一体私はどちらの男性と結ばれるのか?」と問い詰めたといいます。そのため撮影は決まった部分から順次進められました。しかし、結局こうして完成した映画が翌年のアカデミー賞の作品賞や監督賞などを獲得したのですから、分からないものですね。


*この映画は68年前の作品ですが、多くの評論家や映画フアンが高く評価しているのが「君の瞳に乾杯!」のセリフです。原文は「Here‘s Looking At You kid」ですが、成るほど名訳だなと思います。しかし、このセリフは1時間42分の作品中に4回出てきます。私は少し使いすぎかなと感じますが、皆さんはいかがでしょうか?
さすがに、フランスでの回想シーンでは2回使われたので、最初の邦訳は「謎の美人に乾杯」と訳されていました。


*大戦中の公開(1942年)とあって、アメリカの国策映画の匂いが漂っています。当時フランスは親独のヴィシー政権でしたので、劇中の登場人物・仏の警察署長はルノー、イタリアの闇商人がフェラーリでした。脚本家の皮肉を込めた反ナチスのメッセージだったのでしょうか?
セリフの中にも親米反ナチス的なものがいくつも見られます。


独軍少佐「君は我々独軍はフランスから出て行ってほしいか?」
リック「パリに限ったことではない」
独軍人「ロンドンなら?」
リック「占領してから聞け」
独軍人「ニューヨークは?」
リック「下手に踏み込むのはお勧めできませんね」
独軍少佐「あの男はそれほど利巧には見えないが」
警察署長ルノー「アメリカ人を甘く見ると痛い目に合いますよ」
ナチスに対する敵意剥き出しのやりとりが、今見ても面白いです。

 
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